食物アレルギー
治療の基本方針は「正しい診断に基づいた必要最小限の原因食物の除去」です。
一昔前の時代では、原因食物を摂取し、症状が出たら食べるなという指示が出ていましたが、現在は食べられる量を摂取していくことで将来的に摂取可能になる可能性が高くなることが分かっており、不必要な除去は成長発達や生活へ支障となりえます。
しっかりと診断し、適切な治療を行いましょう。
食物負荷試験
食物負荷試験は、食物アレルギーの確定診断または現時点での摂取量を知る検査です。
血液検査、皮膚テストなどは補助的な検査であり、陽性でも実際に摂取して症状が必ず出ると限りません。診断と治ったか(耐性獲得)を確認する目的があります。
【当院での負荷試験のスケジュール】
9:00 当院受付
9:15 負荷試験開始 30~45分おきに3回に分けて摂取します。
症状出現時は負荷試験を終了し、適切な治療を行います
(持参の内服薬投与orアナフィラキシー出現時は、ボスミン筋肉注射を行います)
症状なく経過した場合、最終摂取から2時間は院内待機していただき、帰宅となります。
帰宅後に症状が出現した、体調が悪いなどあればクリニックまでご連絡ください。
【持ち物】
9:00 当院受付
・負荷する食物(事前に相談します)、飲み物(お茶、水)
・抗アレルギー薬(事前に処方された内服薬)
・おもちゃ、本など(負荷試験中の時間がかかりますので飽きないように)
【注意事項】
・朝食は軽めにしてください。
・負荷試験3日前から抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬は服用しないでください。
症状が出にくくなってしまい、診断が困難となりえます。
・当日の朝までに発熱、体調不良などあればクリニックへご連絡ください。
→軽度の症状であれば来院していただき、診察後に判断させていただきます。
【出現する可能性があるアレルギー症状】
皮膚:紅斑(赤くなる)、蕁麻疹、かゆみ
眼:充血、かゆみ、腫れ
口、喉、鼻:口唇の脹れ、喉の違和感(舌が痛い、イガイガする)、鼻汁、くしゃみ
呼吸:咳がでる、声がかすれる、ゼーゼーする、呼吸苦
消化器症状:腹痛、嘔吐、下痢
症状が強く、治療を有する場合は、当院で緊急の処置を行います。
状況によっては、近隣の総合病院へ紹介することもあり得ます。
舌下免疫療法(スギ、ダニ)
スギ花粉症やダニによるアレルギー性鼻炎を治すことができる治療法です。
【適応】
・五歳以上
・花粉症症状が辛く、生活に支障がある場合(夜何回も起きてしまう、授業に集中できない など)
・通年性の鼻炎
・気管支喘息がある
児のご家族の方でも花粉症でお困りの方はお声かけください。
個人差はありますが、8割程度の効果があるといわれています。
内服のみの簡単な治療ですが、初回内服、増量時(1週間後)にアレルギー症状が出る可能性があるため院内で内服を行っていただきます。治療開始後1年目から効果が現れ、3~5年は継続する必要があります。
即効性がる治療法ではありませんので毎日内服を継続していただきます。
1、2か月おきの受診を推奨しており、副作用、内服状況等を確認します。
薬価としては、3割負担で1,500~2,000円程度です。
スギ花粉症に関しては、スギ飛散時期(1~5月)には治療を行えません。
ダニの舌下免疫療法はいつでも開始可能です。
舌下免疫療法の詳細は下記サイトをご参照ください。
鳥居薬品 http://www.torii-alg.jp